
レッスン指導を行う前に、私なりの「吹奏楽指導の心得」を皆さんにお話ししたいと思います。

吹奏楽指導の心得を知っていただくための、大事な質問です。富士山があるのは何県ですか?

正解は・・・静岡県だけではありません。山梨県にも富士山はありますよね。

この富士山の頂上を、頂点=目標(最高の演奏)だとします。頂点を目指して登るルートが、静岡県からと山梨県からの2つあるとします。
皆さんはこれまでに、「ああしましょう。」「こうしましょう。」と相対する演奏(表現)指示を受けて、どちらに従えば良いのだろうと悩んだことはありませんか?

皆さんに知ってもらいたいのは、考え方ひとつで相対する指示を受けても困らないよ・・ということです。
言い方ひとつで「黒」にも「白」にもなるし、受け取り方の違いでも「静岡」にも「山梨」にもなるわけです。
どちらかを採用するとか、捨てるとかでは難しくなってしまうので、バランスのとれた解釈が必要ですね。
静岡からも山梨からも、両方からの景色を味わうことで富士山登りは一層豊かな経験となります。

楽器がうまくなるためにどうすれば良いか? 迷路を解いていく楽しさがあるとはいえ、独学でノーヒントクリアを目指すと・・・上達までに10年、20年かかってしまいます。

私の仕事は、皆さんにヒントを提供することです。自分の技術的な立ち位置を俯瞰して確認できるような、そんなアドバイスをしていきたいと思います。

皆さんに注意して頂きたいのは、近道や答えを教えてもらったからといって、一気にワープでクリア!にはならないということです。道が見えたら、自分の足で進まなければなりません。

どんな近道でも多少の困難は待っています。ですが、ひとつずつ確実に向き合っていきましょう。

「自分には簡単だよ。」
「自分には難しい…。」
人によっては小さい問題でも、自分にとっては大きな問題だったりすることもあります。小さなことにつまずいてしまった・・・と自分を責めず、決めつけず、困ったら相談してくださいね。

とんでもない高さのハードルが目の前に現れることもあるでしょう。そんな時に「一生無理」とか「自分には無縁」とか、逃げてしまう前に一度利用して欲しいのが「長期目標」です。
長期目標にしてしまえば、逃げたことにはなりません。使えるものは都合よく使いましょう。いつかは本当に、このハードルを越えてしまう時もあるかもしれません。
楽器がうまくなる自分、その伸びしろを信じられるように、皆さんに私の経験値を提供していきたいと思います。